セラミックとは・・・
セラミック、セラミックス、と2つの呼び方が混在してるのはみなさんもご存知ですよね。
解釈の仕方は色々とありますが一般的に多い区分の例は、
セラミック=原料や材料を指します。また、言葉(形容詞)として使う場合もある。(例:セラミック技術やセラミックコーティングなど)
セラミックス=セラミック原料を用いて作られたものをセラミックス製品と呼ぶ。
セラミックスの古い定義では陶磁器などを指していましたが、現在では炭化物や窒化物などの無機化合物の成形体や粉末、膜などの総称としても用いられており、解釈の幅はかなり広くなっています。
カーコーティングで言う「セラミックコーティング」とは何ぞや!? となると、
セラミックと呼んでも間違いではない原料を使って合成されたコーティング液剤なので、形容詞(そのものの性質や状態などを表している語)として用いて「セラミックコーティング」と表現しています。
では、コーティングとして塗布して出来上がった膜は「セラミックス」なのか!?
ここが皆さんの脳みそを混乱に陥らせている根っこの部分だと思います。
セラミックスと聞くと、一般家庭ではセラミックナイフや鍋、車関連だとブレーキパットやベアリングなど、縁遠いところではスペースシャトルの外壁など、めちゃくちゃ硬くて強くて耐熱性にも優れて超高耐久っていうイメージを持っちゃいますよね。
セラミックコーティング剤=液体であるのでセラミックスとは言えません。
セラミックコーティング剤を塗布して完成された膜=原料として金属鉱石や酸化○○○や窒化○○や炭化○○○を主成分として作られた・・・という説明がありますが、これは分析しないと完成膜は目に見えるものでもないし計測もできません。スポンジやクロスでコーティング剤を塗布し、マイクロファイバータオルで拭き上げて完成するコート膜・・・コレをあなたは世間一般にセラミック製品と呼ばれているものと同一と考えますか?
もうそろそろお気づきの方もいると思いますが・・・
10~20年前からある「ガラスコーティング」。かつては「何がガラスやねん?」と思ったでしょ!? ガラスコーティングも「窓のガラス」とは違いますよね。未だに「あれは、これは本物のガラスですわ~」と、のたまうアホがいますが(笑)本物のガラスなんぞ車の塗装に塗ったら割れるっちゅ~ねん。
ガラスコーティングの「ガラス」と言った表現も、セラミックコーティングも同じです。単にガラスと呼んでも間違いではない原料を使っているだけで、ガラスには成り得ない。ガラスコーティングも硬く固まるタイプもありますが、硬くとも硬質プラスティック程度のシリコンのかたまりです。
セラミックコーティングもガラスコーティングもどちらも表現(言葉)としてセラミックやガラスと言っているだけで、実際に塗装の上に乗っかるコート膜がセラミックスやガラスと言う訳ではありません。
セラミックコーティングにも、ガラスコーティングにも、固まらないタイプもありまっしゃろ? 簡易型のスプレータイプでシュシュっとマイクロファイバーに吹き付けて塗装面を拭き上げるのもセラミックコーティング・ガラスコーティングっていう名称で売っていますよね。
セラミックやガラスという名称は、あくまでも総称での表現であり、硬くて強くて長持ちするというイメージを抱かせるための「単なる言葉遊び」であり、塗って完成したコーティング膜は目には見えないので巧みなイメージ戦略なのです。
もはやガラスコーティングは旧世代のもので、これからはセラミックコーティングの時代だと、言葉遊びで言い切る人もいますが、それぞれの違いは単に使っている原料が異なるだけで、線引するほどの大きな違いはございません。ただし、ガラスコーティングも20年以上経過しているので様々なコンセプトのものが混在しています。これまで使用していた材料の違いにより、セラミックコーティングのほうが凄く性能が良いように感じることもあるかと。
セラミックコーティングの特徴は、耐薬品性に優れていてアルカリや酸に強い、被膜の厚みがある、被膜が硬い、重ね塗りが有効、自己修復機能のものもある、などガラスコーティングに比べて性能が高いと説明されていますが、これらはガラスコーティングとセラミックコーティングの原料の違いと、原料がもつ作用による違いです。
かつてはセラミックと呼ばれていた日本のコーティングも存在していましたが、セラミックコーティングが流行りだしたきっかけは海外製品からです。コーティングの硬さを彷彿させる硬さ表記(鉛筆硬度)の「9H」と、ライターのお尻でコーティングしたパネルをカンカン叩いて傷が入らないでしょ!?というパフォーマンスで一気に話題となりました。後に、そんなこたぁ~ワックスでも出来るわ!などと多方面から揶揄されていますが、未だにやっていますよね(笑)
日本国内でガラスコーティングというものが流通し始めて20年以上になりますが、少し前までは日本製ガラスコーティングが海外に輸出されていました。それまでは海外は昔むかしのペイントシーラント(油脂系ポリマーコーティング)が長年の主流だったのですがね。日本は比較的「軟水」の国ですが、軟水でありながらも水シミスケールが問題視されていましたが、海外は「硬水」の国が多く、ガラスコーティングでの水シミスケールは相当大きなデメリットとなったと思われます。
水シミスケールの固着問題は、コート剤の成分によって大きく変わるので、日本製ガラスコーティングとは異なる成分の原料の組み合わせで生まれたのが海外製セラミックコーティングで、販売するにあたり「ガラス」という呼び名が外人さんにはピンとこなかったので、窒素や炭素系の原料を使用していることから、セラミックと呼んでも嘘ではないという解釈からセラミックコーティングとして呼ばれるようになりました。
日本のガラスコーティングの命名も、透明な膜で強くて硬くて長持ちするイメージと原料にケイ素などを使っていることから「ガラスコーティング」でいいんじゃね!となったので同じ理屈。
海外の超硬水の国で生まれたコーティングなのだから、水シミスケール対策としてのブレンドは考えているはずだし、実際に結果も出ていることだと思います。軟水国の日本でも雨染みスケールの付き方がぜんぜん違う!と言っている施工店も多いですからね。
ただし、設計理論と検証は、海外車両の高硬度・高密度な自動車塗膜上で行われているので、日本車での施工性やクォリティーに関しては多少の相違はあるかと思います。