町のコーティング屋・・・ のりもの屋も町のコーティング屋の一軒です。 このページではディーラー以外でコーティング施工をしているお店に限定してお話します。 こりゃ~めちゃくちゃ軒数が多いですぞぉ!
それぞれの業態はさまざまで、コーティング施工を専門にしているところから、本業は他にあって「ついで」にコーティング業務を行っているところ、店頭では受付のみを行い実際の施工は外注のところ、などなど・・・コーティングも有名になったので、あらゆる車関連のところで販売施工されるようになりました。 しかし、その実態は一般のお客さまからみるとそれぞれの違いがよくわからないようなので、これまでの経験と情報をもとに大まかに分類して解説していきます。
まずは専門店から
専門店と言ってもいくつかに分類されます。 大きく分けると「一般のお客さまから直接受注施工しているお店」と「車屋からの下請け作業を請け負うお店」となります。 もちろん一般直受と下請けを共にこなしているお店もあり比率も様々です。 一般直受が主体のお店は店舗・作業場があるので直接お店に行って色々聞いてみましょう! 下請けが主体でも店舗・作業場を持っている場合もありますが、出張で業者に出向いて作業するいわゆる「屋台ひき」もあります。
問い合わせの取っ掛かりは電話かメールになると思いますが、車種と年式だけを聞いて施工料金を即答するようなところは避けるべし! 車体色や使用保管状況やお客さまのアレコレを質問してくる仕事に前向きなところかを聞き分けましょう! 前向きなところは間違いなく「現車確認を!」と告げるはずなので、必ずお店に出向き、愛車をじっくり見てもらってお客さまの情報をしっかりお伝えしましょう。 お店に出向けば実際に作業してくれる職人の人となりがわかるし施工環境も確認できます。 まず、夏は蒸し風呂、冬は冷蔵庫のような空調設備も無いような作業場であれば上手に逃げるべし(笑) 硬化型ガラスコーティングは温湿度の管理はとても重要! 加水分解も知らないヤツは専門店を名乗る資格もありまへん(爆)
専門店と言っても実態は様々。 コーティングなんちゅ~のは液剤を入手しスポンジやタオルなどの資材を用意して、塗って拭き取るだけの単純作業で完了しますから、その作業自体に特殊な技能などは必要ありません。ホントです(笑) 専門店と言っても何の基準も規制も試験も何もありませんから、「はい!今日から僕は専門店です!」と自称するだけです(笑) なので、そのお店が1年生なのか!?ベテランなのか!?も見聞きして調べたほうが良い。 長年この仕事に関わっているベテランと思える人でも、何年やっても何十年やっても、ただ毎日塗ったり拭いたりを繰り返しているだけで、自分が使う液剤やツール、業界の流れや進歩にも全く興味はなく、自ら調べたり勉強することもなく、誰かに「いいよ」と勧められただけが根拠の流行りモノに乗っかっての受け売りオンリーで、何の検証もしないまま無責任適当施工するマヌケも存在します(笑)
もちろん1年生でもしっかり勉強しノウハウにも施工環境にもしっかり投資して準備万端で始めた方もいるとは思います。 反面、何年やっても何十年やっても自分がやっている仕事には興味もなく、ただ頼まれたことを作業しているだけの人もいます。 同業者が集まる場でも仕事の話なんて一切しません! どこの飯が美味かったとか、あのスイーツがどうとか、旅行や趣味の話は山盛り話せても仕事の話となると一言も喋らない・・・ そうなんです!仕事に興味がないのです(笑) このような人は何年やっても何ひとつ変わらず、ただ毎日何年も同じことを繰り返しているだけ。 嘘みたいな話だけど、そんな人よぉ~さん居てはります。
近ごろ見かける新店は、洗浄や下地処理や磨きに関しては真面目に取り組んでいると思います。 磨きに特化したサプライヤーの出現により、すごく便利なケミカルや研磨剤、実用的で合理的なポリッシャーなどの機材の進化、ネット環境で様々な情報が入手できる時代になったので、特定のフランチャイズやグループに属さずとも早期に磨き職人になることができるようになったと思います。 ただ残念なのは、いまだ謎のベールに包まれた目には見えないコーティングというものに過大な期待をよせていること。 これは商売上の販売戦略(言うほど大した内容ではない)としては、有名なメーカーのものを扱ってれば安心感があるとか、どこかのグループに属せば店名を変えるだけでそのまま自店のホームページとして活用できるメリットがあるとか、とにもかくにも自分で調べて考えることを放棄し有名どこに横にならえば、とりあえずやれる!と思っちゃうんでしょうね(笑) 硬度13Hとかバカなこと言ってんじゃないよぉ(爆) まぁ、この辺のことは「コーティングの真実」のページをご参考に^^
同業者からも「変人」扱いされるのりもの屋オヤジから見ると、専門店と呼ばれるお店でもこんな感じですから、お店選びは難しいとは思います。 が、コーティングに限って言えば、コーティングさえすればそれで終了!って言う商品ではありません。 一般個人のお客さまではできないレベルの洗車や磨きは絶対に必要となりますので、いつでも気軽に相談できて出向ける近隣の施工店が望ましいと思います。 愛車へのこだわりや想い入れ、自身のカーライフに求めるアレコレを話して、望みをストレートにぶつけていくことが施工店のレベルアップにつながるし、とても大事なことだと思います。
その他のお店
専門店を名乗っているお店ですら上記の内容ですので、それ以外のコーティングをやっているところの事を聞かれても「愚問」ですわ!と言うしかないのですが(笑) 一応ひと通り説明したいと思います。
まずは、ガソスタついで店
油売りの片手間に店頭軒下で洗車プラスα程度のサービスを行っているお店と、専門店ぽくみえる専用ピット完備でやっているお店があります。 こだわりの専門店とは大違いで、車の年式もボディーカラーも状態も何も関係なく、ただ単にボディーサイズのみの区分で、松竹梅!?上中下!?なんだかわからないランク付けで、超シンプルな明朗会計システムで受け付けてくれます。1万円台の1年ものから、最近では10万円オーバーの積層ものも販売されています。 超シンプルな商品区分と価格表示なので、「いくら!?」と聞いたら即答してくれて、愛車に対するこだわりや想い入れも低い人で、なんだかわかんねぇ~けどワックスみたいに水玉コロコロに弾いてりゃいいじゃん! また汚れたら洗車に出すし!って思える人向けのお店です。
何段階かランクがあるし価格も色々だけど、そんな人は最安値の1年もので十分です。 何層塗ろうが、液剤がどうだろうが、目にも見えない厚みがどうのと言っても、そんな事は結果には何も関係ないですからね! 人はみな、ランク付けされ価格差があれば、高けりゃ高いほど効果も高いと思いがちですが、コーティングなんてそんなものじゃぁ~ありません。 その心理をついて高い銭を抜くシステムを上手に作っているだけです。
基本磨きは別メニューになっていて、通常メニューには「おまけ」で「軽研磨」がサービスでついてくる場合もあるみたいです。 軽研磨とは、読んで字のごとく、軽い磨きってことでしょうが、要するに手作業で落とすには困難な水垢除去と、微細な洗車キズ程度をポリッシャーで軽く磨いて綺麗にしましょ!って内容だと解釈しています。 専用ピット完備なら理解できますが・・・軒下の吹きっさらしの場所ではありえまへん!!
専用ピット完備のお店で実際にあった例をご紹介しますと、新車登録から半年経過のトヨタ202ブラックのミニバン、5万円台のシンプル価格表示で、軽研磨サービス付きって事だったので、半年分の汚れや微細なキズや染みがキレイになってピカピカになって納車されると期待したそうな! 2~3日で完成したとの連絡があり、引取に出向いて愛車をマジマジとライティングして見ると、ギラギラ巻きキズだらけで「なんだこりゃ!?怒」となり問い詰めると、この店にいる自分たちではこれ以上のことは出来ないので講師を呼んで再施工します」との回答。 再び数日クルマを預けることとなり、完成連絡後に再び確認。 全体的にはずいぶんマシになったが、バンパーや細かいところはキズまみれのまま・・・これでは納得できないと伝えるも自店では対応不可と拒否され、お客さまの判断で他の専門店に依頼してくれたらその費用はこちらで保険扱いとして保険屋から専門店の方に支払うと説明されたそうで・・・ 当店に相談にこられました!
残念ながら・・・「下手くそ保険」なんていうのは無いんですよぉ~!
当店で現車確認しましたが、パッと見はキレイに見えました。 しかしライティングすると磨きムラが確かに。 遠方から来られた講師はよく頑張ったと思います。 でも最初の軽研磨ってのが雑すぎたので、そりゃリカバリーするのは大変ですわ! 磨きのなんたるかも理解せずに、この機械で、このバフを付けて、この研磨剤でギュ~んと磨けばOKってな程度の感覚で作業するだけで、塗装面なんか見てないんですわぁ! 見えてないんですわぁ!!
最初の洗浄の甘さから、バンパーやパーツなどの継ぎ目から砂塵が出てきて磨いてるバフに絡まって付けたキズと、バフをクリーニングすることもなく磨き続けて固まった研磨剤カスで入れたキズのオンパレードでした。 これらのキズは意外と深く入っているので難儀しますわな。 保険屋担当者も当店にて現車確認し、保険適用の可否についてもお話しましたが、残念ながら「下手くそ保険」はありませんで・・・ ガソスタついで店もオーナーさまもどちらの望みも叶えてあげられませんでした。
軽研磨もまともに出来ないところが鏡面研磨なんぞ間違っても謳ったらあきまへんでぇ~~! 愛車を綺麗にしたい!と思うオーナーさまは「ついでのお店」なんぞ選んだらあきまへん! まぁ、ええとこ水垢だらけで洗ってもなんともならない古いクルマを低料金でそこそこキレイにして水玉コロコロにさえなればOKと納得できるオーナーさま向けのお店ですねん。
鈑金塗装屋サブメニュー店、中古車納車ついで店、モータース屋サービス店、カーショップ受付店。
車業界には共通して部品商や塗料問屋のルート営業との付き合いがあります。 このルート営業が「くせ者」で、なんでもかんでも適当なこと言うて売りますねん(笑) 当店も付き合いがありましたが、コーティングについてはホンマ何も知りまへん! 何も知らんのに「ええらしいでっせ」とか「あそこも使ってますねん」とか適当なことばっか言うてます。 のりもの屋の名前もずいぶん使われてたみたいです。
板金塗装屋、中古車屋、モータース屋との付き合いもあるので、たまに顔を合わすと「なんかええコーティングあります!?」「このコーティング、あのコーティングどうですか!?」「これってのりもの屋さんも使ってるんですよね!?」とあれこれ聞いてきますわ! 聞いたこともないコーティング、そんなコーティングしちゃアカンでと思うコーティング、いろいろ買わされてます(笑) 時間があればウンチク全開で説明してあげますが・・・まぁ見事に右から左・・・寝たら・・・いや・・・数時間たったらそんな話忘れてますねんな(笑) というか、そもそも興味もないんですわ。 ただ、一応ついでとは言えコーティングみたいな事をやってる訳ですから・・・不安なんでしょうね!
自分が扱っているコーティングがどのようなコンセプトのものか、塗ろうとしている車やお客さまには合っているのか、そんな知識や観念などこれっぽっちもないですから、よほど断れないくらい付き合いが深いとか、あっちこっち自分で調べたり出向いたりするのが面倒な人は仕方ないですが、愛車家でこだわりがある人はお店の人とじっくり話をして、自分でもよく調べて判断したほうが良いですよ。 きちんと分かっている業者さんは当店みたいな専門店と付き合って紹介してきますから。
ついでの仕事として手探りでやっているお店もあれば、店頭では単に受付業務だけで、実際の作業は自店の作業場で「屋台ひき」の外注に施工させるところもあります。 受付業務は単純です。 カーショップなので車種はわかるので(笑)外注先には「○○○○のコーティングはいくらですか!?」の問い合わせのみ。 屋台ひきも「新車!?乗ってる車!?」と聞くだけ。 色も聞きません。 状態も関係なし。 当然オーナーさまの情報など全く必要なしで、だいたいの価格を伝えます。 目の前でそのやり取りを聞きましたが、あとは掛かる日数と予定のみ。 これで商談成立するとは・・・恐ろしい。 でも、屋台ひきにはそれで大丈夫なんです。 出張で行ったその日に現車を見て、濃色車であっても淡色車であっても、状態が良かろうが悪かろうが、オーナーさまの感覚なんてことは頭の片隅にもなく、ただ予定した日数と時間内で予算なりの作業をして、オーナーさまと顔を合わすこともなく帰る訳ですから、何の責任もない。 だから当店の仕上がりを見たお客さまや、その友人のからよく聞くんですよ「ぜんぜん違う!」「こんなにキレイじゃなかった!」って・・・
当店でも業者さんからの下請けコーティング仕事はあります。 問い合わせ時には一般のお客さまと同じく必要な情報の提供を求めます。 なぜそんなこと!?と最初は聞かれることもありますが、理由を説明し理解してもらいます。 理解してもらえない業者、細かい話を面倒くさがる業者はお断りしています。 現在お付き合いのある業者さんはきちんとされています。 施工料金についても概算は伝えますが、確定は現車確認後です。これも一般個人のお客さまと同じ。 入庫にあたっての予定は厳守。 ディーラー以外の業者さんは入庫予定に関してはほぼ間違いないですね。 なにかの都合で間に合わない場合もきちんと連絡をくれます。 ディーラーは他責が多いので日程変更は日常茶飯事です。 仕上がり納車に関しても予定は伝えますが、時間切りはいたしません。
一番厄介な店・・・エセ施工店
最近はあまり被害相談も受けないので一番下にとどめておきますが・・・ 専門店ぽくアレもコレもよ~さん取り扱って信頼のお店でっせ!と自ら自画自賛で告知しているが、コーティング剤は初回購入一回こっきりでリピート仕入れもなく(随分前ですが裏はとってます)、他店のことばかり気にし、所有していない材料でもさもやっているかのように見せかけ、実態が謎の施工店もございます。 以前はよく激怒されたお客さまが来られました。 調子よく自らディスカウントしてくるから依頼したものの、もう出来たんかい!?のタイミングでの早々の納車で、ピカピカの新車がギラギラ磨きムラの艶落ち状態、そりゃ怒る!! 時間日数はぜんぜんいいからやり直してこい!!と言って持ち帰るも結果は散々な目に・・・。 そりゃ信用なくすわな。 そんな話よぉ~聞きましたわ。
まとめに
磨き・コーティングの仕事は、家電製品などの完成品の販売とは全く異なります。 どこで購入しても同じメーカーの同じ品番のものなら性能もクォリティーも同じものですが、私たちの仕事は、これから取り掛かって更に良くするもの。 たとえ新車と言えど箱に梱包されて届くわけではないですから、何かしら汚れたり傷んだりしています。 同じ材料や機材を使ったとしても人や環境によっても違いはでます。 何をどこまでやるか、やらなければならないかの決まりもありません。 施工内容も施工する人が勝手に決めるものでもなく、お客さまと対面しお互いに情報をやり取りしながら作業内容をプランして料金の折り合いをつけていくものです。
現在はホームページなどでお店の情報もある程度見れますが、ぜひ一度お目当てのお店がみつかれば店頭に出向いてください。 コーティングの仕事は「人」で決まるとも言えます。 どのようなコーティングをするかの判断もその人次第で変わります。 どんなクォリティーで仕上がるかもその人の取り組み次第。 チョイスしたものが自分と愛車に合っているかどうかも人との巡り合わせ次第。 そしてコーティングは施工すれば終わりではなく、これからが大切です。 普段のお手入れを行うお客さまと、施工人でしかできない作業をつなぎ合わせて、愛車の綺麗長持ちを実現させていくものです。