ペイントプロテクションフィルムとは

ペイントプロテクションフィルム(以下は、Paint Protection Film の略称として「PPF」と記載します)。

PPFとは、無色透明なポリウレタンフィルムを車体塗装面に貼ることによって、走行時の飛び石や虫の衝突によって生じる塗装の傷や塗装の欠けを防止するために開発された製品です。 PPFの厚みは約150ミクロン(0.15ミリ)、皆さまのご家庭にある食品用ラップ約10ミクロン(0.01ミリ)の15倍もあります。 150ミクロンの厚みからなるフィルムと衝撃を吸収する粘着剤を組み合わせることにより愛車の塗装を物理的に保護します。

目には見えない塗るタイプのコーティングとは違い、はっきりとこの目で確認できる厚みがあるフィルムです。 だけど貼り込めば透明なので貼ったことがわからないレベルに仕上がります。 最近では用途に応じて200ミクロン以上の厚みがあるPPFも登場しています。 トラックなどの商用車などには良いかもです^^ クルマの車体色を変えるカラーチェンジ用のカーラッピングとは全く異なる製品なのでご注意を! PPFはポリウレタン、ラッピングシートは塩ビです。 材質・厚み・特性・耐候性・施工方法のすべてが異なるのであしからず。

PPFの施工方法

柔軟性と伸縮性に優れたポリウレタン製のPPFは、さまざまな湾曲ボディーへの施工が可能で、特殊粘着剤が施されたフィルムを専用の液剤にて貼り込みます。 また、PPFの粘着剤はスムーズに貼り込むことができ、施工後はしっかりと貼り付きながら、剥がしたい時には糊残りが少なく、塗装にもダメージを与えにくい再剥離可能な粘着剤が施される設計となっています。 この「施工性」「安定性」「再剥離性」の3つはすべて相反する性質で、各メーカーの製品ごとに微妙にその性質が異なります。

単にフィルムのライナーを剥がして、施工ゲルをフィルムとボディーに吹き付けて、ボディーに乗っけて位置決めをして、スキージーで施工ゲルを掻き出して貼り付けするだけの単純作業なんだけど、これが単純に見えて結構難しいんですよぉ~~! フィルムの違い・施工液の使い分け・3次元曲面への位置決め・塗装面の状態などなどによって感触は様々です。 

PPFは貼る部位によって施工方法も変わります。 ボンネットはオーバーラップで貼り込み、端っこをボンネット裏面に折り返しての貼り付けで、外からはフィルムの端部が極力見えないように施工します。 フロントバンパーなどの複雑な部位については、コンピューターカットされたフィルムを用意し、指定されたエッジ寸前までのギリギリ施工となります。 その他部位についても、面の形状とアンテナやドアノブ・ドアミラーなどの付加物の脱着の有無などで施工方法を変えなければなりません。

位置決めやスキージングにもたついたり、何度も貼ったり剥がしたりを繰り返すと、糊ズレや糊の段差が出たりと、仕上がりの美観に影響がでます。 また、施工部位によってはフィルムを貼り付けた後にカッターでフィルムのみを切る”アフターカット”の技術も必要となります。 150ミクロンのフィルムの半分をカッターの刃で切り込みを入れ、フィルムを裂く手法は熟練の感覚が必要となります。 カーフィルムの施工などで長年カッター使いに慣れていると感覚はつかみやすいですが、コーティングが主体でカッターをほとんど使ったことがない職人にはなかなか難しい作業となります。 まず勇気がでない・・・(笑) 単一の繰り返し作業ではないPPF施工が故、施工しているお店が増えない理由もわかる気がします。

施工日数について

PPFの施工においても、ボディーの下地処理は重要です。 汚れや付着物のないキレイな塗装面への貼り込みが前提なので、のりもの屋では下地処理もしっかり行います。 下地処理を適切に行い、養生をし、貼り込んで細部の処理、最終確認までは、ボンネット1面の施工だとしても、最低でも1泊2日が理想です。 複数面への施工の場合は数日かかります。 

施工料金について

PPFの施工料金は、他のカーフィルムやボディーコーティングと比較すると高く感じると思います。 これは前処理から完成確認まで掛かる手間時間と材料費からくるもので、高いなりにも貼る面の大きさや形状、フィルムのチョイスや施工方法などで大幅に変わってくるので、オーナー様の各車両ごとの事前お見積りの段取りで承っています。

PPFはもともとスーパーカーなどの超高級車向けのストーンガードとしてのニッチな極小マーケット商品(しかも輸入品)であったため材料価格が高く、なかなか一般大衆車両には難しかったのですが、近年では国産PPFやアジア諸国からの参入で徐々にではありますが材料価格が下がってきている傾向にあります。 さらに最近のPPFはコーティング機能が備わった商品も出てきているので魅力は増大しています! 塗装の保護・保存能力はコーティング類などは比ではないので、ぜひお気軽にお問い合わせいただければと思います。

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